
この連載では、私たちのお気に入りのフィクサー(修理をこよなく愛する人)たちのツールやヒントを取り上げるコーナーです。 今日は、自称”撮影好きなテクノロジーオタク”であるErica Griffin氏を紹介します。Ericaは、詳細なデバイスのレビューを行い、非公認ながらも素晴らしいNintendo Switchの改造、そして狭いアパートに巨大なテレビを設置して、そのサイズの理由を説明するなど、ガジェットを徹底的に研究しています。注:iFixitは以前、Erikaのビデオスポンサーでした。
まず最初に自己紹介をしてください!
私はErica Griffinです。スマートフォンやその他のテクノロジー関連製品のレビューをしていますが、任天堂の大ファンでもあります!ゲームコンソールの改造や分解、修理も大好きです。
いつから修理や改造を始めましたか?
13歳から始めました。今、32歳です。AndroidやiOSが登場する前は、Pocket PCやPalm Pilotsにドが付くぐらいハマりました。当時からバッテリーは固定されていたので、デバイスを分解して交換する必要がありました。
また、ディスプレイの色温度の違いに悩まされることも多く、自分のデバイスを分解して、より見栄えのするディスプレイを製造しているメーカーを調べては、好きなパーツを手に入れていました。そしてディスプレイを交換すれば、強迫神経症を抑えることができ、ようやく自分のデバイスを楽しむことができるようになりました。
そして壊れているものを分解して、直せるかどうか確認するのも好きでした。私は4人の兄弟がいるため、壊れたものを手に入れるのは至難の技でしたが、電気技師である父は、私の中にあるガジェットの探求心を後押ししてくれました。

ツールボックス(ワークショップ)の中身を教えてください。
私のツールボックスはとてもシンプルです。iFixitのPro Tech Tool Kit,と別タイプのツールキット、そしてハンダステーションを使っています。iFixitのツールセットのおかげで、ツールを上手く整頓できています。以前は作業に必要なツールを個々に揃えていました。
ツール/デバイスの整頓方法を教えてください。

可笑しいかもしれませんが、私はテックガジェット用クローゼットの中に吊り下げ式のシューズオーガナイザーを使って、膨大な数のスマートフォンを収納しています。また工具やその他細々としたものも、同じテッククローゼット内に置いています。私の住むアパートにはクローゼットスペースが狭いので、クローゼット丸ごとテックで占領されています(笑)。
最も使用頻度の高いツールは何ですか?
私がよく使うのは、Pro Tech Toolkitのドライバーセットと、細かい部分に入り込むための先端がカーブした(ツル首タイプ)ピンセットを使っています。
一方、お気に入りだけど頻度の低いツールはありますか?
この質問については正確な答えを持っていないのですが、敢えていうなら、接着剤を緩めるために必要なドライヤーはあまり使用していません。そのため接着剤用に特別なヒートガンを買う必要はありません。自分のドライヤーを持っている男性はおそらく少なく、奥さんやガールフレンドのものを借用して修理に使っている男性が多いと思います。でも私の髪の量からみても、一台はドライヤーを持っているので、これで十分です。
重曹と瞬間接着剤でペーストを作り、それを成形し、紙やすりで削って適切な形状にすれば、緊急の状況でもきちんと対応できます。
使用頻度は高いもの、あなたが得意とする分野では異例と思われるツールや素材はありますか?
トイレットペーパーですね(笑)。改造するときや、カスタムパーツを作るとき、パーツがガタついて音が出ないように、公差を非常に小さくします。そこで、トイレットペーパーの小さな片辺を一番効果的なスポットに差し込むと、ガタつきを抑えることができます。また、重曹と瞬間接着剤でペーストを作り、それを成形し、紙やすりで削って適切な形状にすれば、緊急の状況でもきちんと対応できます。これは小さなパーツを確実にフィットさせたり、削りすぎてしまったパーツを調整するのに便利です。特にボタンやシェルの改造に便利です。
フィクサー、DIY愛好家、分解マニアなら誰でも、ツールによる怪我や失敗談があります。あなたの痛い話はありますか?
その昔、私はNintendo DS Liteのアウターケースのスワップをしようとしていました。このDS Liteはお気に入りだったのに、DS Liteでよく起こるヒンジの故障に伴い、自分で修理することにしました。当時は適切なツールもなく、何をやっているのかよく理解していませんでした。
ケースを交換した後、私は上部ディスプレイや動作が正しくないことに気づきました。そこでもう一度分解して、すべてのリボンケーブルを取り付け直したのですが、残念ながら電源が入りませんでした。私はショックで、どうにかするお金もありませんでした。ヒューズを飛ばしたのだから、いつか修理をしようと思いながらも、10年の月日が流れ、すっかりそのことを忘れていました。
何年も経ってから箱の中に埋もれていたDS Liteを見つけ、このプロジェクトに再挑戦することにしました。上部スクリーンのリボンケーブルがきちんと装着されていなかったことが判明し、(この作業には適切なピンセットが必要でした)、それがスクリーンの接続にまで影響して、デバイスの電源が入らなくなっていました。それに加えて、最初の修理の時にデジタイザも破損していたこともわかりました。というわけで、一瞬の希望が見えたにも関わらず、このような単純な失敗をしたことで完全に意気消沈してしまいました。
シェルは何年も経って黄色に変色していたので、結局eBayで新しいDSモデルを購入し、私のガジェットコレクションに加えました。なんとその時の私は馬鹿だったのか、壊れたDS Liteは捨ててしまいました。今なら新しいデジタイザを簡単に手に入れられるし、交換する技術もあります。なんて愚かなことをしたのだろうと思います。悔しくて、今だに自分を腹を立てています。
それから、子供の頃、デジタルカメラを分解して床にぶっ倒れそうになったことがあります。フラッシュにそんほどまでの電流が流れていたとは知りませんでした! 何ということか!
これから修理を始めたい人たちに何かアドバイスはありますか?
物を修理するという行為は、とても満たされるものです。しかし、もしあなたが何をやっているのか分からないなら、プロジェクトに没頭しすぎて、深刻な間違いをしてしまった事に気づくのが遅すぎた、ということがないようにしましょう。今はチュートリアルが豊富にあります。最初から最後まで全部見てください。最初の2分だけ見て、「分かった!」と思った途端、作業は失敗。そして「必要なことや、やってはいけないことが、チュートリアルの最初の15秒に書かれていなかったから、失敗した」とコンテンツ制作者を責めるような、意地悪なコメントはしないで下さいね。自分自身以外誰も責めることはできないのです。
その他、私たちiFixitコミュニティーに知ってほしいことはありますか?あなたが取り組んでいる新しいプロジェクトやコンテンツ、最近発表したものなどあれば教えてください!
私は今、第一子を妊娠中なので、少しペースを落とさなければなりませんが、娘が大きくなったら、家族で一緒にゲームを楽しめるように、いくつかシステムを改造しているところです。
また体調が良くなって、改造や修理を再開できるようになる時が楽しみです。もっと改造や修理の動画も増やしていきたいですね。
翻訳: Midori Doi
0 opmerkingen